ちょい悪オヤジがモテるんです

ケアンズの日々

亡くなったオーストラリアの元首相ボブ・ホークについての記事を読んでいると、彼を形容する言葉としてよく出てくるのがこれ。

larrikin

「ラリキン」と読みます。辞書的な意味だと、ちんぴら、とか、ならず者、とか、不良、とか。若いごろつきを指す言葉ですが、なぜ、非常に人気のあった偉大な政治家を指すのに否定的な言葉を使うんでしょうか。

オーストラリアでは『larrikin』には実は否定的なニュアンスはほとんどありません。観察するところ、むしろ愛すべきちょい悪キャラを指して使われています。

ちょい悪といっても、日本みたいなイタリアブランドで身を固めたキザな感じじゃないんです。粗野で下品なワルで、でもどこか憎めない愛嬌のある人に対する親しみを込めた表現なんですね。

オーストラリア人は、囚人がルーツであるということを誇っている国民であるからして、垢ぬけなくて不真面目なのがむしろかっこいいみたいなところが今でもかなりあります。

だから『larrikin』は最大の賛辞。非常にオーストラリア的な単語です。

評伝を読むと、ボブ・ホークは実際には非常に頭脳明晰なキレモノだったにもかかわらず、外見的にはそういうところを全然感じさせなかったみたいですね。

オックスフォードに留学中の20代の頃には、11秒でビールを1.4リットル飲むギネス世界記録を樹立したり、1983年にオーストラリアがヨットのアメリカズカップに勝ったときは「今日仕事に来ないからと言って誰かを首にするようなボスはアホ(bum)だ。明日ちょっと頑張って働けばいいんだから。今日はオーストラリア国民が一丸となる日だ。」と言ったり、なかなか豪快なキャラだったようです。

同時にオーストラリアの経済発展に貢献し、国民健康保険の制度(Medicare)を作り、職場での性別による差別を禁止し、環境保護に力を入れ・・・となかなかのやり手です。

有能な『larrikin』首相が、またオーストラリアにも、そして日本にも現れたらいいんですけど。

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